第2回 一人の行動が現場全体に与えた影響

第三者アドバイザーは見た!

これは施工会社時代の同僚の話です。
大規模修繕工事では、施工会社と管理組合が協力することで工事が進みます。
しかし、
たった一人の行動が、
現場全体を止めてしまうことがあります。

ある現場で、真面目で評価も高かった現場代理人のSさんがいました。
理事会との関係は良好でしたが、一人の居住者から理事会を通さず過剰な要求を受けるようになりました。

ある日、Sさんは現場に来られなくなりました。メンタルを崩してしまったのです。
現場代理人が不在となり、工事にも影響が出ました。

その後、現場は別の担当者が引継ぎ、工事は継続されました。理事会も状況を重く受け止め、その居住者へ注意を行いました。しかしSさんは現場に戻ることはありませんでした。最終的に部署を異動し、現場から離れることになりました。

この経験から学ぶこと

現場で働く施工会社の職員も、一人の人間です。
もちろん仕事として責任を負っています。
しかし、不当な要求や人格を傷つけるような言動まで受け入れる必要はありません。
大規模修繕工事は、施工会社・管理組合・居住者が協力して初めて成功します。
相手を責める前に、一度立ち止まって話を聞く。お互いを尊重しあう。
その姿勢が、結果として工事を成功へ導くのだと思います。
大規模修繕工事は「建物を直す工事」であると同時に、「人と人との信頼で成り立つ工事」でもあるのです。

第三者アドバイザーから一言

施工管理、大規模修繕コンサルティングの経験をもとに、現場で実際に起きた出来事や教訓を、管理組合の皆様に分かりやすくお伝えするシリーズです。

※一部の記事は、個人やマンションが特定されないよう内容を再構成・匿名化しています。


GB English Summary

A condominium renovation project depends not only on technical expertise but also on mutual trust between contractors, the management association, and residents. In one project, excessive demands from a single resident placed overwhelming pressure on the site manager, eventually forcing him to leave the project. This experience reminds us that successful renovation requires respectful communication and cooperation from everyone involved. Buildings can be repaired, but trust must also be protected.



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